Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
所だ、権田の為に、秀子は誰とも舞踏の約束をせずに待って居たほどである、余は最早ぬすみ聴かぬ訳には行かぬ、縦しや聴くまいとしても自から聞こえるのだ。
「ナニ運のつきと云う事は有りません、今まで物事が極めて好く運び、先ず思ったより寧ろ旨く行って居るでは有りませんか」と聊か慰める様に云うは全く権田時介だ、余は久しく彼の声を聞かぬけれど充分に覚えて居る、彼は猶語を継いで「私は寧ろ運が貴女を助けて居るのだと思いますが」秀子「運が助けて呉れるならどうして此の様な辛いことに成りましょう」権田「左様さ貴女の身の上も随分不思議は不思議ですネエ」秀子「ハイ是ほど異った身の上は二人と此の世に有りますまい、私は最う一切の力が盡きて仕舞いました」権田「夫だから私が助けて上げようと云うのです」秀子「ダッテ貴方は――」権田「イヤ何も「ダッテ」などと仰有ることは有りません、今まで一切、無報酬で助けて上げたのですから最う報酬を請求しても好い頃です」秀子「報酬は差し上げて有るでは有りませんか、金銭の報酬は決して受けぬと貴方が仰有るし、夫なら以来何事でも貴方のお差し図に従うと云って――」