Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
儘だ、何でも狐猿の爪の毒に中られたとか云う事で、益々容体が悪い様子だ、兎に角も此の家の客分だから、余は知らぬ顔で居る訳に行かず、或る時其の室へ見舞いに行った、夫人は非常に喜んだけれど、起き直る程の力はない、床の中から痛くない片手を出し余を拝む様にして「好く来て下さった、貴方に折り入ってお願いが有りますが、病人の頼みだと思い何うか聞き入れて下されませんか」何の頼みだか、来る勿々に此の様に言われるは少し意外で有る、それに余は彼の贋電報で此の夫人の仕業と分って以来、甚だ此の夫人を好まぬけれど、身動きも出来兼ねる病人の頼みを無下に斥ける訳にも行かず「ハイ何なりと聞き入れて上げましょう」夫人「では申しますが、其所に、ソレ掛かって居る私の着物の衣嚢に大切な品物が入れて有りますから、貴方は何うか中を見ずに、其の衣嚢を裏から握り爾して破り取って下さいまし」実に異様な頼みかな、衣嚢の中の品物か衣嚢ぐるみにり取って呉れとは、今まで聞いた事もない。
嫌な仕事だとは思ったが、一旦男が承知した事だから怯みも成らず、立って行って壁に掛けた着物を取り、言葉の通りに其の裏から衣嚢を握って引きり、爾して夫人の傍へ持って行くと、夫人は又も枕許の手文庫を指し「其の中に小さい