Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
第二十九回 壁の中から剣
禍いを遺します」余は唯「爾ですか」と調子を合わせて分れたけれど深く心を動かした、果して錆びた釘か何ぞで引っ掻いたものならば、何故虎井夫人が狐猿に引っ掻れたなどと言って居るのだろう、若しや先きの夜、余の寝床へ血を落したのは此の夫人では有るまいか、画板の間から手を出したとすれば古釘に引っ掻れる事は随分ある、オヤ、オヤ、爾するとアノ衣嚢の中に在った品は、秀子の盗まれたと云う手帳では有るまいか、今更疑っても既に遅い、イヤイヤ必ずしも遅くはない、必要となれば養蟲園穴川と云う家を尋ねて行っても好いのだ。
第二十九回 壁の中から剣
若し此の翌日、恐ろしい一事件が起らなんだら、余は必ず養蟲園へ行き、穴川甚蔵と云う者が何の様な男かを見届けた上で少しでも怪しむ可き所があれば、第一に秀子に話して虎井夫人が此の甚蔵に送った小包が果して秀子の盗まれた手帳であるや否や究めねばならぬ。
併し養蟲園へ行く前に、一応調べて見たいのは狐猿の爪に果して毒があるや否やの一条だ、若し毒が有って、之に引っ掻れたなら古釘で傷つけられたと同様の害を為すと云う事でも分れば、虎井夫人に対する余の疑いは大いに弱くなる。