Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
お両人が喧嘩でも成さるかと気遣って茲の境に立って居るうち、アア気絶したと見えますよ。此の様な心弱い事では仕方がないけれど、此の頃苦労な事ばかり引き続いた者ですから」と自分の気絶を詫びる様に云うた。余は茲ぞと思い「ナニ秀子さん最う何の様な苦労が有ろうと心配に及びません、私が附いて居ますから」と云い、権田を推し退けて其の傍に近づくと、何の気力も為さ相に見えた秀子は、殆ど電気に打たれた様に身を起し、腹立たしげ恨めしげに余の顔を見詰めて「再び私の身にお障り成さるな、私は輪田夏子です」と最と苦い言葉を吐いた、如何にも権田の云った通り、気位の高い女で、痛く余の言葉を気に障え、再び余とは交わらぬ程に思って居ると見える、余は憐れむ可き有様と他人が見たら言い相な有様と為り必死の声を絞って「秀子さん、秀子さん、お腹も立ちましょうが其の様に云わずと過ぎ去った昔の事は全然り忘れて――」秀子「ハイ貴方と一旦お近づきに成った事まで忘れましょう、最う茲に居る用は有りません、丸部さん、貴方にはおさらばです、爾して権田さん貴方には又お目に掛ります」両人へ別様に挨拶して、未だ定まり兼ねる