Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
第百十一回 密旨の一部分
事に成れば何うで有ろう、秀子は養母殺しの罪人として、養父殺し未遂の罪人として、牢破りまで企てた稀代の毒婦として再び如何の責苦に遭うも知れぬのみか縦しや世界の果てまで逃れても生涯安心の時はないと、権田の言葉が其のまま胸に浮んで見ると、茲で情ある言葉を掛けるは決して秀子の為ではなく却って其の仇に成ると云う者、真に秀子を愛するならば、邪慳に余所々々しく突き放して了わねば成らぬ、と忽ち斯う思って余は秀子の手を投げ捨てる様に放して了った、何たる人を馬鹿にした仕打ちと見えるだろう、秀子若し心が落ち着いて居て、余が斯く毒蛇でも捨てる様に秀子の手を投げ捨てた仕打ちに気が附いたなら是切りで心底から余に愛想を盡すだろう、イヤ昨夜より既に愛想を盡して居るけれど、更に其の上に生涯の敵だとまで余を憎み賤むに至るであろう、余の地位の辛さも決して秀子に劣りはせぬ。
第百十一回 密旨の一部分
秀子は心の騒いで居る際ゆえ、余が毒蛇でも捨てる様に其の手を放した振舞には気の附かぬ様子である、之だけは有難い、けれど其の手の放されたを幸いに早や立ち去ろうと身構えて居る。