Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
然しながら、腹の子の処置に窮して女を殺すということは考えにくいことであり、又、二人の男が女を張り合って、一方が嫉妬のために殺したとしても、当の女を殺すとは考えられぬことである。して見ると、殺された女は二人に無関係であるかもしれない。
それにも拘らず霧原警部はこの二人が今回の事件に関係して居るように思えてならなかった。まず第一に平岡の袖の血である。人血というものは自分が傷をしない限り、めったにあのように袖につくものではない。医師か解剖学者ならばつき易いけれども、そういう人は多く洋服を着て仕事をする。また喧嘩ならば、こちらにも何かの傷がある訳である。しかも昨夜小石川に血腥い喧嘩があったという報告はなく、血腥い事件といえばこの殺人事件ばかりである。して見ると平岡はこの殺人に無関係だとは言われない。が、さて殺された女と平岡とを結びつける鎖の鐶となるものは何一つもない。……こう考えたとき、霧原警部は殺された女の横顔と平岡の横顔とを考え合せてにこりとした。
警部は更に考えを続けた。第二に二人がこの事件と関係ありそうに思わせることは、朝井刑事が家宅捜索に赴いた際、鬼頭の逃げ出したことである。