Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

七

その青酸はかねて義歯の中へ入れてあったものです。

私はもうこれで言わねばならぬ大方のことを申し上げたつもりです。こうして書いて居る間にも私は死を急ぎつつあります。私は鬼頭さんと同様の方法を以て死にます。かくて私の一家はここに断絶することになりますが、それは当然の運命かも知れません。

終りにのぞんで私はあなたの健康を心から祈ります。

平岡貞蔵

七

「可哀そうな身の上もあったものだね」と平岡の死体の傍に発見された遺書を、翌朝、朝井刑事が読み上げたとき、それをじっと聞いて居た霧原警部が吐き出すように言った。

「平岡だけでも警戒して生かして置くとよかったですのに……」

「いやいや、それ位のことには気がついて居たけれど、僕はわざと平岡にもその機会を与えてやったのさ」

「では、平岡が女であることを知って居られましたか」

「いや、それは知らなかった。ただ然し、男としては珍しい体格だと思ったよ」

「それにしても殺された女が平岡の妹で唖だということをどうして知られたのですか」

霧原警部はにこり笑って言った。

「二人がきょうだいということは別に確実な証拠があった訳でなく、全く推定に過ぎなかったのだ。