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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

四

さあ、そうなると、恋に狂った信之の取る手段は何でしょう。言わずと知れて居ります。

妻をなきものにしよう……

沢はある夜、信之の晩酌の相手をしながら、信之の言葉とその眼の色によって、友江さんを殺害する意のあることを悟りました。彼女は自分が信之に言った言葉を後悔すると同時に、これは十分警戒せねばならぬと覚悟致しました。

四

ある夜、恐しい暴風雨が市街を襲いました。宵から降り出した雨は車軸を流し、風は獅子の吼ゆるような音を立てて荒れ狂いました。そういう晩は健全な人をも異常な心境に導くものです。信之は沢を相手に、頻りに酒杯を傾けましたが、だいぶ酔がまわって来てから、突然、友江を見舞って来るから、土蔵の鍵を貸してくれと沢に申しました。沢は頻にとめましたが、どうしてもききません。そこで、沢は一しょに行くと言いましたが、信之はそれをも承知しなかったので、彼女は仕方なく鍵を渡し、恐しい暴風雨の音をききながら、がらんとした家の中にちぢこまって居りました。

暫らくすると信之は顔色をかえて、走って来ました。

「沢、友江が首を吊って死んで居る」と、彼は提灯をも消さないで沢に告げました。