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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

四

教授は手袋の外側と内側とに附着した塵埃を顕微鏡で検査しましたけれど、これという特徴あるものの発見はなかったのであります。

彼此するうち、日は容赦なく過ぎて、検事は焦燥を感じましたが、法医学教授をたずねた折、ふと鯉坂君が、新案探偵法を工夫したということを聞き、物も試しだからと思って、早速問題の手袋をもって鯉坂君をたずねたのであります。

鯉坂君は、かねて、この事件を新聞で読み、現場に手袋が遺留されてあったとすれば、条件反射の応用によって、犯人の鑑定が容易に出来るだろうにと、頗る歯痒く思って居た矢先ですから、検事の来訪を受けて、事情をきくなり、飛び立つばかりに喜びました。

「早速こちらでは準備をして置きますから、犯人嫌疑者を片っ端から連れて来て下さい」

こういって、検事を力づけ、すぐさま準備に取りかかるのでありました。

四

ちょうどその前日、場末で連れ出して来た――いや、厳密に言えば盗み出して来た――一疋の比較的若い雌犬が居りましたから、鯉坂君は、その犬を実験につかうことに決心しました。この犬は毛色が真白で、至って従順でしたから、すぐ暗室内の実験にならすことが出来ました。