Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
六
「殺されたのは君の妹の唖だよ!」
「ああッ」といったかと思うと平岡は急に立ち上って、
「言います、言います。妹を殺したのは……鬼頭さんです」と叫んだ。
警部はしばらく黙って平岡の顔を見つめた。
この時、隣の室がにわかに騒がしくなって、警官の一人が飛び込んで来た。
「大へんです。鬼頭が自殺しました」
「えッ!」といって警部は立ち上ったが、それと同時に平岡は椅子の上に尻もちをついて、そのまま気絶してしまった。
六
霧原庄三郎様……失礼を顧みずこう呼ばせて頂きます。
この告白書があなたのお手許に届く頃には、私は次の世で、恋しい鬼頭さんの腕に抱かれて居ることと思います。あなたは私までが自殺するとは思いにならないので、私が告白を書いて差出しますと申し上げたとき、快くゆるして下さったので御座いましょう。
殺された女は私の妹で而も唖であることを、どうしてあなたは発見なさいましたか知りませんが、あなたのその御炯眼を以てしても、恐らく私が女であるということは御承知にならないだろうと思います。私はこれまで男として育って来ました。両親さえも私が女であるということを知らずに死んで行ってしまいました。