Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

五

今度の事件でも、被害者は妊娠して居るということの外にもっと大きな秘密を包んでいるらしい。その秘密をあばかぬ限りは、この事件の解決はむずかしいだろうと思う。もし僕の推定が誤らなければ、犯人たちの口を噤んで居る理由もわかるし、そこに鬼頭否園田の前科者としての謀計が働いて居るようにも思われる……」

「では園田を犯人とお認めになるのですか」

「それはまだ何とも言われない。死体の秘密をあばいたら、それによってどちらか一人の口をあかせることが出来ると思う。だが、二度目の解剖は極秘のうちに行わなければならぬ。君自身にさえ立ち合っては貰えない。僕と大学の村山教授と二人でこの解決をしたいと思うのだ。……」

五

あくる日の午前、大学で死体の再解剖が行われたが、それは霧原警部と村山教授だけの外、誰も知る人がなかった。霧原警部の察した如く死体の身許を申し出るものは一人もなく、また短刀の出所の取調べもすべて徒労に帰し、拘留された二人を犯人と判断し得べき直接証拠は何も出ないばかりか、二人が巣鴨へ来る以前の行動も少しもわからなかった。

然しながら、午後警視庁へ帰って来た霧原警部の顔には緊張の色が漲って居た。