Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
五
五
朝井刑事が帰ると、程なく霧原警部も帰って来た。
「朝井君、谷村の方は?」と警部はたずねた。
朝井刑事の取り調べたところによると、谷村はこれまで、助手を二人つかって金銀の細工をしていたが、夫人が死ぬと、二人の助手を解雇したので、今は雇い婆さんと二人住いである。谷村は夫人を失って非常に落胆し、初七日のすむ迄はぼんやり暮していたが、それから、何思ったか毎日細工場に閉じこもって、コツコツ細工をしていた。婆さんが心配して身体を悪くするといけないから、気晴しに散歩に出てはどうだといっても、彼はただ、ニヤリと笑うだけで、一歩も外出しなかった。ところが昨日二七日の法事がすむと、夕方活動写真でも見て来ようと言って出かけ、十二時頃帰宅したそうである。
夫人はなくなる四日ほど前の晩、夜遅く帰って谷村に叱られたが、その晩から、高熱を出してだんだん重って行って死んだのだそうである。
朝井刑事は細工場の中を一応取調べたけれども、別にこれというものは眼につかなかったので一と先ず切り上げて帰って来たのである。
警部はこの話をきいてじっと考えていたが、「いやどうも有難う、だんだん様子がわかって来た」