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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

四

彼女は毎夜深更に家を抜け出しては、恰も夢遊病者のするように、諸方を歩き廻った。丹七は始めのうちはそれをとめるようにしたが、とめると彼女の神経を余計に興奮させるように思われたので、後には彼女のしたい儘にせしめたのである。

彼女は決して昼間は外出せず、又盲目の女のこととて、別に他家や他人に対して害を与えなかったので、丹七は放任して置いたのであるが、後には夜分樹にのぼったり、他家の屋根の上を歩いたりするので、村人が気味を悪がり、とうとう丹七はあさ子を監視して、夜分外出せしめないことにしたのである。村人も事情を知って大いにあさ子に同情したが、如何ともすることが出来ず、あさ子の精神異常は一日一日に増して行くのであった。

四

こうした矢先、突然、良雄が嫁を迎えるということをきいて、村人は一種異様の感じに打たれたのであった。

良雄の母は、一人息子の可愛さに、これまで良雄のいうままにして来たのであって、こんど良雄が、遠縁に当る家の娘と恋に落ち、在学中にも拘わらず結婚すると言い出しても、母親は反対しないのみか、むしろ、一日も早く初孫の顔が見たさに、喜んで同意し、話が迅速に運ばれて、良雄が春期休暇に帰るをまって嫁を迎えることに決定してしまったのである。