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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

で、私の背後にいた人に何事が起きたのかときくと、今二等車で、乗客が大金を盗まれたため大騒動をしているのだということであった。私は「魔の列車」がその名にそむかなかったことを知って全身がぞっとするように思った。

それから私は手洗に行こうと思い、何気なく立ち上って、靴をはこうとすると、私の右の靴が紛失していることに気附いた。私ははっとした。腰掛の下を探しても見えないので、宵の口から想像力の旺盛になっていた私には、私の靴の紛失が、何だか、二等車の盗難事件と関係のあるように思えた。魔の列車――二等車の盗難――人相の悪い男の不在――私の靴の紛失。こう考えて来ると、私はもうじっとしていられないような気がした。

「おい車掌さん、大変だ、僕の靴が片一方なくなった!」

私は通りかかった車掌に向って、大声でこう叫んだ。乗客は一斉に私の方をながめ中には立ち上る者さえあった。

車掌は顔を曇らせながら、近づいて来て、先ず私の腰掛の下を捜したが、もとより有ろうはずがない。それから私の前のあいている腰掛の下を捜しにかかり、暫くの後、立ち上ったときには、その右手に一個の靴がつかまれていた。