Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
私は日本橋に株式仲買店を持つ辻というもので御座います。御承知のとおり、株屋などというものは非常に迷信深いものですが、私は先刻も申しましたとおり、決して迷信などを意にかけませんでした。ところが最近私の身にふりかかって来た不幸と災難のために、すっかり私は迷信家になってしまいました。そうして、今では、物の祟りだとか縁起だとかを信じない人は、その人が平凡に暮して来て何の不幸にも逢わない証拠を示しているようなものだと信ずるようになりました。
私がここに持っているのは、実は私の後妻の骨で御座います。先妻は一年半ばかり前になくなりましたが、それ以後私の家には不幸が続き、とうとう後妻にも死なれ、私までがこうした不具になったので御座います。そうして、これらの不幸や災難はみんな先妻の亡霊の祟りだったのです。いや、こういうと、あなたは私の迷信を御笑いになるかも知れませんが、だんだん御話をすれば御わかり下さるだろうと思います。実は先妻は自然な死に方をしたのでなく、自殺して相果てたので御座います。
昔から女の執念は恐しいものだと思いましたが、こうも極端なものだということは過去四十二年間夢にも思わなかったので御座います。