Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
と言った。
「時に、大学の方はどうでした?」と刑事はたずねた。
「どうも今の法医学はいつもいう通り歯痒いものだねえ。死因はわかっても、死体の生前の秘密はわかりにくいからね。警察医の言った通りの鑑定で、咬傷はやはり女の歯でつけられたものだということだ。然し、大原の生前の秘密も大たいは見当がついた。兎に角これで中島せい子の口をあけることが出来るつもりだ」
「それは何ですか?」
「今にわかるよ。中島を連れて来たまえ」
やがて、せい子は再び警部と対座した。
「中島さん、随分お待たせしました。いよいよあなたに白状して貰わねばなりません」
「何をですか?」
「あなたは昨夜たしかに大原さんと一しょに、大原さんのうちへ行きました」
「そんなことはありません」
「どうしてもお話しにならねば犯人被疑者として残って貰います」
「まあ」と彼女は顔の色をかえたが、やがて決心したと見えて、キッとなって言った。「それなら私には覚悟があります」
「と仰しゃると?」
「どこまでも知らぬと言い通します」
「では知っておいでになるのですか?」
「何をです?」
「大原さんの殺されなさった有様を!」
「そんなこと知るものですか」