Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
そのとき大原は矢庭に立ち上って、いやなにおいのするものを嗅がせました。
それからどうしたかは存じませんが、ふと寒くなって気がついて見ると、大原は私のそばに一しょに横になって居ました。けれど何だか様子がおかしいので、よく見ますと無慙にも死んで居りました。私はもうびっくりしてしまって、あわてて抜け出して来ました。
父に身を汚された! こう思うと私はもう気がちがうほどくやしくなりました。どんなことがあってもこれだけは言うまいと決心しました。たとい犯人と見られても、このくやしさに較べれば何でもないと思いました。ところが、只今の御言葉で私はホッとしました。本当に私の心は軽くなりました。
申し上げたいことはこれだけです。私の申し上げたことは決して嘘ではありません。大原は私の父ですもの、殺されてみれば、可哀そうで御座います」
こう言って彼女は手巾を眼に当てた。
「よく話して下さいました。あなたのお言葉を信じます。で、たった一と言だけおたずねしますが、あなたが洋館へお入りになった時か、お出かけになったときかに、怪しい人影でも御覧になりませぬでしたか?」
「誰の姿も見ませぬでした」