Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
何人が訊問されるか? どんな一言が発せられるか? 犯人は女であるというのに、中島せい子以外に何人も連れられて来て居らぬではないか。
葡萄酒を飲み終るなり警部は言った。
「谷村を連れて来てくれたまえ」
朝井刑事は機械人形のように室を出た。興奮のために物が言えないのである。
谷村が連れられて来ると霧原警部はいきなりたずねた。
「谷村さん、ゆうべあなたは大原さんをたずねましたね?」
「冗談じゃありません。私は活動写真を見に行きました」
「あなたは大原さんの死なれるところを見て居たでしょう?」
「そんなことがあるものですか」
「本当に知らぬと仰しゃるのですか?」
「だって、大原さんをたずねる理由がありません」
「あなたはなくても奥さんにありましょう」
「え?」
「その証拠があります」
「証拠とは?」
「これです」といって警部は死体の手にあった手巾を抽斗から取り出した。
「これは奥さんの手巾ですよ」
谷村はそれを見て、さっと顔の色をかえた。
「大原さんはこれを握って死んでいました」
谷村はうつむいて唇を噛んだ。
「御心配なさらなくてもよろしい。奥さんは潔白です」
「ああ」と谷村は太い歎息の声を発した。