Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
わが子の美しかった容貌が、怖ろしくも変化した姿を見るさえ苦しいのに、まして、頼りとする一人娘が片輪者となって、この先長く、反対に世話をしてやらねばならなくなったことを思うと、父親の丹七は、短刀をもって胸を抉られるほど辛かった。けれども、良雄の亡き父には、かつて一方ならぬ世話に逢ったのであるから、丹七は良雄をうらむ訳にもいかず、
「あさ子、堪忍してくれ、みんな俺が悪いのだ。俺の罪の報がお前にあらわれたのだ」と、涙ながらに歎息するのであった。
丹七は伊勢の国の生れであって、他人の内縁の妻と駈落ちして、二人でこの村の遠縁のものをたよって流浪して来たのであるが、その遠縁のものはその時死んで居らず、やむなく、良雄の父にすがりつくと、義侠心に富んだ良雄の父は、近所のあき地に小さい家を建ててやって二人を住わせ綿打業を始めさせたのである。
間もなく二人の間に出来たのがあさ子であった。然しあさ子を生むと同時にあさ子の母は発狂して、川に身を投げて死んでしまった。丹七はそれを天罰だと思い込み、爾来、やもめ暮しをしながら、あさ子を育てて来たのであるが、こうして再びあさ子の身の上に悲運が落ちかかって来たのも、やはり、自分の犯した罪のむくいであると考えざるを得なかった。