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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

良雄は帰省して、はじめてあさ子の発狂したことをきいたのであるが、これまであさ子を盲目にしたことを何とも思わなかった彼も、自分故に発狂したかと思うと、何となく厭な気持がした。ことに夜分、彼女がよその家の屋根を歩いたということをきくと、一種の恐怖を感ぜざるを得なかった。しかも、こんどは嫁を迎えるというのであるから、一層、気味が悪かった。で、彼は、めずらしくも、結婚の日まで、一歩も外出しないことに決心した。

素封家のこととて、結婚の準備は可なりに大袈裟なものであった。然し、万事は親戚や出入りの衆によって、何の滞りもなく運ばれ、愈々四月のはじめに、自宅で式を挙げることになったのである。

当日の朝、空は心地よく澄み渡って居たが、正午過から俄かに曇り出し、夕方になって、花嫁の到着する時分には、春雨がしとしとと降り出した。でも花嫁の一行は無事に良雄の家に乗り込み、それから間もなく離れ座敷に於て、結婚式が挙げられることになったのである。

式は八畳の座敷で、燭台の光のもとに厳粛に行われた。外には春雨が勢を増して、庭の木の葉をたたく音がしめやかに聞えて来た。丸顔の花嫁は、興奮のためか、それとも蝋燭の光のためか、幾分か蒼ざめて見えた。