Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
ことを証明するため、考案せられたものであります。あなたはアメーバの運動を顕微鏡下で御覧になったことがないかも知れませんが、アメーバは単一細胞から出来た生物で、半流動体の原形質と核とから成り、そこで原形質がいろいろに形をかえて、食物を摂取したり、位置を変えたり致します。その匍匐する有様を見て居りますと、あるときは籬の上を進む蛞蝓のように、又あるときは天狗の面の鼻が徐々に伸びて行くかのように見えるのです。今、底の平たい硝子の皿に二十プロセントの硝酸を入れ、その中へ水銀の球滴をたらし、皿の一端に重クロム酸加里の結晶を浸しますと、その結晶が段々溶けて、皿の底面に沿って拡散して行き、中央の水銀球に触れると、恰もその水銀球は、生物であるかの如く動き始め、一疋の銀色の蜘蛛が足を伸ばしたり縮めたりするのではないかと思われる状態を出現します。これが即ち人工アメーバで、よく観察して居ると水銀はアメーバその儘の運動を致して居るのです。
次に、人工心臓です。心臓は申すまでもなく、収縮と拡張との二運動を、律動的に交互に繰返して居ります。心臓のこの律動的に動く有様を、やはり水銀をもって、巧みに模倣することが出来るのであります。