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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

而も役目はそれ程簡単であるにも拘わらず、心臓ほど大切な機関はありません。心臓が動いて居る間は、たとい人事不省に陥って居ましても、その人は死んだということが出来ません。そこで私は若し、心臓が停止したとき、直ちに人工心臓に置きかえて、外部からエネルギーを与えて、喞筒の作用を起さしめ、血液を全身に送ったならば、死んだ人をも再び助けることが出来、なお、場合によっては永遠の生命を保持せしめることが出来るだろうと考えたのです。全身をめぐって来た大静脈の血液を喞筒の中へ受取り、これを活栓によって大動脈に送り出すという極めて簡単な原理で人工心臓が出来上ります。活栓を動かすには電気モーターを使えばよいから、地磁気が存在する限り、電気の供給は絶えることなく、従って人工心臓を持つ人間は、地球のある限り長生が出来るであろう……などという空想にさえ走ったものです。

ことに私をして人工心臓をあこがれしめたものは、心臓に関する極めて煩瑣な学説です。微に入り細に亘るのは学術の本義ですけれども、学生時代に色々な学説を聞かされるということは可なり厄介に感ずるものです。学説の論争をきくということは、たまには甚だ面白いですけれども、幾つか重なって来るとたまりません。