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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

男は、警察とはまるで様子の変ったところへ来たせいか、頗るおとなしくして居りました。彼は色々な実験機械が珍らしかったのか、きょろきょろあたりを眺めて、もはや、例の言葉も口走らなくなりました。

いよいよ鯉坂君は、鑑定を始めることにしました。こんどの男は、有力なる嫌疑者であるから、よほど慎重の態度をとることにしました。先ず鯉坂君は、暗室へはいって、犬の状態を観察しました。そうして、犬が別に少しも興奮もして居ないことをたしかめてから、検事に命じて、男を暗室の入口に立たせました。

すると、どうでしょう。犬とその男との間にはまだ、よほどの距離があったにかかわらず、唾液の点滴が急に増加しました。鯉坂君ははっとしました。で、顫える声をもって、検事につげ、男を一歩だけ犬の方に近づけました。無論犬はまだその男の姿を見ることが出来ませんでしたのに、唾液の流出はますます甚だしくなるばかりか、頗る興奮したらしい様子をさえ示したのであります。

もはや疑う余地はありません。この男こそは現場に落ちて居た手袋の持主即ち真犯人でなくてはなりません。こう考えると、鯉坂君は他の二人と共に早速暗室を出て検事に事情を話してから、その男に向い、