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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

康雄は言った。

「そういう訳ですから、私も女の身許はさらに知らないのです。先刻の御話によると、女は、鉄道線路の踏切を上ったというお話で、自殺を恐れて、警官は捕えなさったということですが、その文面から察すると、どうも、自殺する意志はないように思います。警察でそれほど頑強に口を噤んで居るのは、何か特別な理由があるのでしょう」

丑村刑事はうなずいたが、やがてたずねた。

「その女が走り出して来たとき、手に短刀でも持っては居ませんでしたか」

康雄は、予期した質問ではありながら、腹立たしい思いをした。

「短刀など持って居ないばかりか、衣服にも血などは附いて居りませんでした。あの人は決して犯人ではありません。あの人に人殺しなど出来よう筈がありません。私はそれをかたく信じます。そういう疑いをかけるさえ無礼なことだと思います」

刑事の眼が、異常に興奮した自分の顔をじっと見つめて居たので、康雄ははッとして赤面した。

「私も、あの女を犯人と認める訳ではありません。ここへ伺うまでは、あの女がこの事件に関係があるかどうかさえ、はっきりわからなかったのです」

「それで、大平氏を殺した犯人はまだわからぬのですか」