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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

こう言うと、私が法律に反抗して、種々の罪悪を犯したがって居るのかと思いになるかも知れませんが、決してそうではありません。私の言う悩みは刑法と人道との相容れぬときに起るものを言うのであります。一寸考えるとそんなことはありそうにないようですけれど実際にはあるのです。といっても抽象的な話では御わかりになりますまいからこれからその実例を述べようと思うのですが、それが又、今晩の主題たる怪談とも縁故があるのです。

私は花柳病を専門として開業しましてから、二年目に妻を迎えました。私が二十五、妻が二十一でした。こうして、白髪の生えかかった今でも、怪談や探偵小説が好きですから、ましてその頃は至って冒険的精神に富んで居りました。似たもの夫婦とでも言いますのか妻が又大の冒険家で、いっそ二人で映画俳優にでもなろうかと相談しあったことさえありましたが、その頃は現今とちがって、日本の活動写真界は極めて幼稚なもので、到底私たちの希望に叶いそうもありませんでしたから、無論その話は沙汰止みになりましたが、只今は、子供が五人もあって、妻などはすっかり冒険的精神をなくしてしまい、私だけが、多少まだ冒険心を残して居るに過ぎません。