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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

「ああ、それがね」と康雄は慌てて答えた。「まったく思いがけない人なのだ。うっかり喋舌るのはよくないから、名前は預って置くが、それは私のよく知って居る老人なんだ。時にもう一度念を押してきくが、お前が見たのはたしかに老人だったかね?」

「それはもう間違い御座いません。顔はよくわかりませんでしたが、姿恰好が、どうしても年寄った人で御座いました」

「その人が庭を捜して居たのはお隣りで女の悲鳴が聞えてから、十五分ぐらい過ぎてからだと言ったねえ?」

「正確なことはわかりませんが、十五分或はことによると二十分ぐらい過ぎて居たかも知れません」

康雄は腕を組んで考えた。大平氏が殺害されたのは、女の悲鳴の起ったのと殆んど同時でなくてはならぬ。若しその老人を犯人とすると、一たい老人はその間何をして居たのであろうか。悲鳴が起ったとき、自分はちょうど大平氏のおもてに居た。そうしてあの謎の女が走り出して来るまでは誰も大平氏宅へ出入りしたものはなかった。

「いやどうもありがとう」康雄はお豊に謝した。「お前のお蔭で、いわば手柄をたてることが出来たよ。いずれ事件が片づいてから、あらためて一度おたずねする。