Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
その間至って平和に過しましたが、不幸は重なるもので、先日母に突然死なれて、私はまったく途方に暮れてしまいました。
大平さんは母の遠縁に当る人で、名古屋に居る時分から、よく往来しましたが、先日母の葬式の時は、わざわざ上京して、いろいろ親切にして下さいました。今から考えて見ますれば、その親切には多少の不純な分子が含まれて居たようで御座いますが、たった一人きりになって寂しい私の心には、実に実に嬉しいもので御座いました。その時大平さんの御話に、幸い、自分の会社にタイピストが一人ほしいから、あなたが来る気なら世話をしてあげるがどうかとの事で御座いましたから、私もその方が遥かに心強いような気がして、どうぞよろしく願いますと申上げて置いたので御座います。それから二三日過ぎると大平さんから手紙がまいりまして、愈よ会社であなたを傭うようになったからそちらを片附けて名古屋へおいでなさい。私の家に同居なさってもよいが、それでは世間の口もうるさいから、幸い自分の心当りの家を一軒借りて、婆やを雇うことにしたいということで御座いました。で、一昨日の朝、東京をたって、こちらへ参ったので御座います。