Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
康雄が先に立って中へはいると、紺野老人が悄然として出迎えた。老人は新らしい眼鏡をかけて居たが、その顔には悲しい表情が刻まれて居た。老人は恐縮しながら三人を一間に導いた。
康雄は語りはじめた。
「委しいことは一切私から申し上げます。最初私が大平家の庭で紺野老人のレンズを発見したときは老人を真犯人でないかと疑いましたが、留置場で歌代さんから事情を聞くに及んで、その疑は漸次崩されて行きました。歌代さんからこの家の様子をきいたとき、大平さんの知った人が、最近まで住んで居たにちがいないと思いました。それから大平さんが歌代さんを自宅へ連れて行って手ごめに為ようとしたときいて、私は、大平氏殺害の動機をその情事関係に求むべきであると思いました。犯人はきっと女にちがいない。ヒステリカルな嫉妬深い女にちがいない。その女が大平氏にそむかれて大平氏を殺害したにちがいない。こう考えた時、私はこの家に、大平氏の愛を受けた女が住んで居たにちがいないと推定しました。然らばそれは誰であろう。と考えたとき、私の胸にはたと思いあたったことがありました。この家に古泉堂の人情本のあったこと、殺害の夜、紺野さんが大平家をたずねたこと、それから、一昨夜私が古泉堂をたずねたときに、老人には一人の娘さんがあって、老人は、最近余所から離縁になって帰って来