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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

然し、昼過ぎから曇り出した空は夕方になって雪模様となり、彼是するうちに、ちらちら白いものが落ちて来たので、さすがの私も、聊か閉口して、せめて小さな水車小屋でもよいから見つけたいものだと、空腹と疲労を物ともせず、暗闇の中を可なりに高い山を登ってその頂に達すると、遥かむこうに、人家の灯影がまだらに見え出したので、私は急に元気づいて、山を降り、村の方をさして進んで行った。もう、その時分は雪もだいぶ降り積んで、人通りは絶えて無く、遠くに水の流れる音がして、まるでこの世ならぬ世界へでもはいったような気がしたのである。寒さの用意は相当にして来たけれど、その時、風さえ加わって、たとい人家の軒下でも、一夜をあかすのは可なりに苦しかろうと思い、何とかして、人家の中でとめて貰いたいという慾望が起って来た。

やがて、村のとりつきにさしかかると、夜目にも小さな寺のあることがわかった。私は渡りに船と喜んで、門のない寺の境内にはいると、ふと、どこからともなく、人間の声が聞えたので、思わず立ちどまって耳をすますと、それはやさしい女の声で、子守唄をうたって居るのであった。

※(歌記号、1-3-28)ねんねこや、ころころや、ねんねのお守は何処いった、あの山越えて里いった。