Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
村人は非常に同情しましたけれども、もはや如何ともすることが出来ませんでした。お蝶さんは定めし白とともに毎日毎日その悲運を歎いたにちがいありません。そうして、かよわい身にも深く心に復讐を期したにちがいありません。白は賢い犬でしたから、畜生ながらもきっと、お蝶さんの心を悟ったにちがいありません。さればこそ、後にお蝶さんと白とは立派に復讐をとげることが出来たのであります。
話は前へ戻って、彼此するうちに、お蝶さんは妊娠したのであります。即ち、悪漢の胤を宿したのであります。運命はどこまでお蝶さんを虐げるのでしょう。妊娠すると同時にお蝶さんの精神異常が著しくなったのであります。これは後にお医者さんから聞いたことですが、妊娠すると屡々異嗜が起って、平素口にしないものを平気で喰うようになるそうですが、お蝶さんには、極度の異嗜が起ったのであります。彼女は土を喰べました。又、灰を喰べました。時には芋虫を喰べ、時には蛇をつかんでそれを割いて喰べました。そうして、五人の悪漢が食事をして居る時に芋虫を投げたり、蛇の血を膳になすりつけたりしましたので、さすがの五人もこれには閉口したと見えて、とうとう、お蝶さんの家を逃げ出し、再び山の小屋に帰りました。