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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

けれど私は不安でならなかったので、翌日から会社を休んで、毎日伝染病研究所へ通って、予防注射を受けることにした。彼女は私が注射を受けつつあることを知って、あまり喜ばないようであったが強いて反抗はしなかった。ただ注射を受けたときいてからは、彼女はもう私の傷口から血を吸うことをやめてしまい、いつものとおり、巫山戯ながら私の身体をなめるだけであった。

私は予防注射を受けながらも、何となく私の心がだんだん荒んで行くように思った。若しや狂犬の毒が全身にめぐりかけて居るのではあるまいか。私を噛んだ犬の毒が、並はずれて強かったために予防注射もその効を奏せぬのではあるまいか。こう考えて、ある日注射をしてくれる医師にその話をすると、医師は、この研究所の予防注射を受けて恐水病にかかったものはいまだ一人もないといって慰めてくれた。そうだ。恐水病! 水を見て恐ろしい気が起らぬ間は、病気には罹って居ないのだ、自分はいつも芝園橋をとおる度に、立ちどまって水面を見る癖があるが、いまだ恐ろしい感じを懐いたことはないではないか、して見ると狂犬病に罹っては居ないのだ。と、一時は安心して見ても、「犬神の祟だ!」