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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

ちょうどその時、彼女は十九歳、私はT大学の文科を出たばかりの二十五歳で、古風にいえば、二人とも厄年だったんです。

始め彼女は、私なんか鼻の先であしらって居ましたが、運命は不思議なもので、とうとう私に、真剣な恋を感じたらしいです。で、ある晩、彼女は、それまで誰にも打あけなかったという身の上話をしました。それはまことに悲しい物語でしたが、私はそれをきいて、同情の念を起すよりもむしろ好奇心をそそられてしまったんです。それが、二人を危険に導く種となったんですが、あなたのようにお若い方は、やはり私同様の心持になられるだろうと思います。

身の上話といっても、それは極めて簡単なものでした。なんでも彼女は山中の一軒家に年寄った母親と二人ぎりで暮して来て、十二の時にその母親を失ったそうですが、その母親は臨終のときに苦しい息の中から、世にも恐しい秘密を告げたそうです――わしは実はお前の母ではない。お前の母はわしの娘だから、わしはお前の祖母だ。お前のお父さんはお前がお母さんの腹に居るときに殺され、お前のお母さんは、お前を生んで百日過ぎに殺されたのだよ――と、こう言ったのだそうです。