Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
と幾度も幾度も念を押しましたので、私は、彼女が、両親を殺した犯人を察したのだなと思いました。そう思うと、急に愛着の念が増して来ました。妙なものです。私は、それまで嘗てつかったことのないやさしい言葉をかけて、心から彼女をいたわってやりました。すると彼女は安心して眠り、私もまたぐっすり寝込んでしまいました。
幾時間かの後、私は頸にはげしい痛みを感じて、がばと跳ね起きましたが、そのまま再び気が遠くなって、やっと、気がついて見ると、看護婦に附添われて、白いベッドの上に横わって居りました。
あとで、事情をきいて見ると、その夜、彼女は剃刀で私の咽喉をきり、然る後自分の頸動脈をきって自殺を遂げたそうです。その左の手には私が書いて与えた刑法の条文をかたく握って居たそうですが、最初彼女はそれを読めなかったので、私が寝ついてから、楼主に読んでもらって、はじめて条文の意味を知ったらしいのです。そして、それと同時に、両親を殺した犯人を、ほぼ察したらしく、それがわかると自分の身の上が恐しくなり、到底私に愛されることはむずかしいと思って無理心中をする気になったらしいのです」