Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
さて、翌日の晩、奴をやっつけた同じ時刻になると、右の眼が又もやずきんずきんと痛み出しました。で、またモルヒネを注射してもらいましたら、痛みはけろりとなおりました。
すると又、その翌日の同じ時刻に、右の眼が前晩よりも一層はげしく、ずきんずきんといたみ出しました。そこで又モルヒネの注射をして貰いましたが、こんどは一筒ではきかず、二筒で始めて痛みを忘れました。
すると又、その翌日も翌々日も、同じ時刻にだんだんはげしく右の眼が痛み出し、モルヒネ注射の数も段々殖えて行きましたが、とうとう七日目の晩、いや奴の初七日の晩といった方がよいかも知れません。右の眼が痛みと共に急に見えなくなって、つぶれてしまいました。そうしたら、その翌日からは、例の時刻が来ても、右の眼に痛みは起りませんでした。旦那、恋敵の血というやつはよっぽど恐しいものですねえ。
こう申すと、旦那は、どうして私が御用にならなかったかを不審にお思いになるでしょう。旦那、兇状持ちが、身をかくすに一番よい所は病院ですよ。よく、大泥棒などは、小さな罪を白状して、監獄へ入れてもらい、人殺しの罪をまぬがれるという話ですが、私は、人殺しをしたら、病院へ駈けこむに限ると思うのです。