Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
自殺の虞あるものを、土蔵に監禁するなどということは、随分危険な話でしたが、沢に心を奪われた信之は、今では、結局、友江さんが自殺でもしてくれたらいいと思ったらしいのです。
ところが、運命というものは誠に皮肉なもので、始め憂鬱状態にあった友江さんは、段々病が進むにつれて発揚状態にかわりました。多分妊娠の進んだせいもありましょう。従って近頃では自殺どころか、頗る陽気になって、時々、土蔵の中から彼女の歌う声が洩れることさえありました。然し庭が広いので、余所へ知れる心配はなく、実際友江さんが、家続きの土蔵に監禁されて居ることを知って居るものは信之と沢の外には一人もありませんでした。
さて、友江さんが土蔵に監禁されると、広い家には、信之と沢との二人きりです。そうなると皆さんも想像されるごとく、信之は、盛んに沢に言い寄りました。然し、沢は、好意は見せても、断然その身を任すことはしませんでした。すると信之は日に日に焦燥の情を増しました。後には暴力にまで訴えようとしましたので、とうとう沢も決心して、奥さんが生きて見える間は決して、御言葉には従いませんと言い切りました。