Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
御承知の通り、人を殺したものはその死体を非常に見たがるものです。而も死体を見ると、一種の恐怖と不安とを覚えますから、当然、心臓の搏動数や呼吸の数が増加する筈です。で、それ等のものを、測定器によって計測したならば、ある程度まで犯人か否かを発見することが出来るばかりでなく、じっと死体を見つめて居ると、今にもその死体が息を吹き返して、丁度、ポオの小説に書かれてあるように、「貴様が犯人だ!」と叫びはしないかという恐怖に襲われますから、時にはそれがために、その場で自白をするにちがいありません。之に反して、容疑者が真犯人でなかったならば、たとい死体を見て一瞬間心臓の鼓動がはげしくなっても、決して恐怖心を起しませんから、ミュンスターベルヒの心理試験とはちがって、無辜のものを有罪にする患は決してない筈であります。ミュンスターベルヒの方法は、兇行に関係した言葉を容疑者に聞かしめて、その反応を見るのですが、数々の言葉の中には真犯人でない人を興奮させるものもありましょうから、誤謬に陥り易い道理です。
そこで、私は、司法当局の人々と相談して、有力な容疑者を捕えて、而も、直接証拠のあがらぬ場合には、法医学教室へ連れて来て、死体を見せ、呼吸計、脈搏計を以て、生理的の反応を調べることに致しました。