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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

と唸りながら地面に指で何やら書いたが、やがて、「うーん」と一声口走ったかと思うと、そのまま絶命してしまった。よく見ると、女の傍には血にまみれた短刀が、夜目にも光って見え、附近には所々に黒い血の雫がこぼれて居たので、人々は女に触れることを恐れて、直ちに坂下にある交番に訴え出ると、交番の巡査はこれを警視庁に急報し、それから現場に赴いて見張番をしたのである。

警視庁からは朝井刑事が、警察医、写真班その他の必要な人々を連れて時を移さず駈けつけた。医師の検査によると、女は束髪に結った面長の美人で、身体はうつぶしになり、顔を横向けてたおれて居たが、右側の背部の肩胛骨の下の所を衣服の上から刺されて、出血のために絶命したものらしかった。その間、朝井刑事は、懐中電灯を以て附近を捜索し、取りあえず、短刀を注意して拾い上げて鞄の中へ入れ、それから地面を見ると、明かに右の手の附近に片仮名で、「ツノダ」の三字が書かれてあったので、死体の右の手を持ち上げて調べて見ると食指の尖端に泥がついて居た。即ち女が絶命する間際にそれを書いたものであるとわかったが、その三字が何を意味するのか、もとよりわかろう筈がなく、朝井刑事は、その手蹟を保存するために、その文字を写真に撮影させた。