Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎゅうつきかげしょう
柳生月影抄 名作短編集(二)
吉川 英治
Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme
の川に荒らされてまったく不毛の地であった。
わずかに、居城のある弘前を中心に、黒石支藩の地方にかけてだけ、産業も文化もやや見られるものがあるという状態なので、表高は四万六千石でも、その実収穫は、四万石が欠けていた。
津軽貧乏見され
わしが貧乏はらくよ
水の苦もない
扶持減らしもお座らない
隣藩の佐竹や南部で、こんな唄さえ唄われたほどだった。
藩主が、粗服を着たり朝夕の食膳の菜を減らしたりして範を示してみせる事も、何の効いもない。
家臣は皆、減俸に甘んじ、領民は祭礼の行事まで見あわせて、税を稼いだ。
けれど、一夏、岩木川の氾濫があると、全民は打ちのめされて、また二年か三年は、火あぶりになっても税も脂気も出ないという領民がたくさん出来た。
反対に、士風も民風も、人間はますます悪くなるのである。人斬り沙汰、女沙汰、盗難沙汰、つまらない家中の葛藤、そんな事が絶えない。
――そんな風潮の中で、棟方与右衛門は、長年笑われ者になって来たのである。
「あれは、福原主水の一件で、殿から、米を喰っているか、と訊かれたという無類の能なしだ。米喰い武士でのうて、米喰い虫だ」
穀つぶしという名称は、穀物の極端に尊ばれている時勢にあって、最大な侮辱であった。