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Japanische Klassiker mit Furigana

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やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme

Aozora Bunko

それをまた、噂ばなしに、

(あの妓は、うれしい意気だよ)

などと称えているこの土地の女や男達の気持もなおさら、解せなかった。

もっと、彼が首を傾げた話では。

木綿のお力という妓がある。そのお力が、八幡前の小鳥屋の前まで来ると、人だかりがしていた。覗いてみると、尾花家の稚妓が小鳥屋の亭主に何かひどく呶鳴られていた。

(どうしたのさ)

ベソを掻いている稚妓に聞くと、稚妓をさし措いて小鳥屋の亭主が、店頭の立派やかな鳥籠を示し、これは今、蒔絵の鳥籠を註文してあるが、それが出来てくれば、さるお大名へ納める事になっている朝鮮渡りの鵯で、一番で三十両もする名鳥なのに、この稚妓が今、菓子など喰わせたから怒ったのだと口から唾をとばして云った。

するとお力は、

(おや、そうかえ。稚妓だから、自分にひきくらべて、小鳥もお菓子を喰べたいだろうと思ってやったのだろうよ。わたしも、自分の勤めの身にひきくらべると、こうしてやりたくなってしまったよ)

あれ――という間に、籠の口を開けて鵯を青空へ逃がしてしまった。

(何も噪ぐこたあないじゃないか。三十両払ってやりさえすればいいんだろう)