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Japanische Klassiker mit Furigana

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やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme

Aozora Bunko

二

これ右門……。恥入る事はない。おまえは、四人の中では純情なのだ。同時に、人が好すぎるから、かねがね危ないと思ったゆえ、この十兵衛がその美しい魔ものをそちの手から奪い、わざと自分の側へ側へと寄せつけておいたのに。……とうとう死の淵へ引きずり込まれたな。危ないところだった。もう一足遅かったら」

と、又十郎を顧みて、

「どうじゃ。わしの意見は、嘘ではなかったろう。お駒はこれの姉なのだ」

「分りました。迷夢がさめてみれば、お駒の日頃にも、思い当るふしばかりでございます」

又十郎も、慚愧に堪えぬように俯向いて実兄の前にひざまずいた。

二

――今日、浜御殿の広場で、父に打擲された上、勘当とまで、極端な叱りをうけた又十郎は、お駒の家で、自暴自棄な酒をあおっていた。

そこへ、すぐ後から十兵衛が追って来た。

(馬鹿――)と、実兄は罵った。(きょうの御打擲は、慈父の太刀だ。あの大愛の木剣がわからないのか)

と、涙をながしていった。

そして、側に酌をしていた湯女上がりのお駒へ向い、

(おまえは、又十郎を擒人にしたが、同時に、又十郎を情人にもしたので殺しかねたのであろう。妹のお由利は、おまえに較べれば、まだずんとしっかり者だが、柳生の家へ仇しようなどというのは身の程を知らな過ぎる。