Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

伸子は、磯崎恭介死す、という電報をうけとった夜の情景から、恭介の葬式の日の模様を素子にしらせた。恭介の葬式が行われたペイラシェーズの式場の様子は、六月に素子がまだパリにいたとき、恭介の上の子供が亡くなって、素子もよく知っているわけだった。

「お葬式の日は、こんども雨でした。子供さんの葬式の日、雨はふっていたけれども、あれは若葉にそそぐ初夏のどこか明るい雨でした。さきおとといの雨は、つめたかった。もうパリの十月の時雨でね、ペイラシェーズの濡れた舗道にはマロニエの落葉がはりついていました。須美子さん、看護婦に抱かれている小さいあの白い蝶々のような赤ちゃん、そのほかわたしを入れて八九人の人のいるがらんとした礼拝堂のパイプ・オルガンは、こんどは恭介さんのために、鎮魂の歌を奏しました。正面扉についている小さいのぞき窓のガラスは、再びルビーのように燃え立ちました。パイプ・オルガンが、ゆたかな響を溢らして鳴りはじめたとき、わたしは、隣りにかけている須美子さんの美しい黒服の体が、看護婦に抱かれている子供のそばからも離れ、もちろん、わたしたち少数の参会者の群からも離れて、恭介さんとぴったり抱きあいながら、徐々に徐々に翔び去って行ったのを感じました。