Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

さまして耳をすましていそうに思えるだけ、伸子の胸をかすかにどきつかせるのだった。

門まで爪先下りの砂利道を、伸子は遠慮なく歩いて、うすら寒い明けがたの通りをサン・タントワン街の方へ下りて行った。陽が出れば、これでいい天気になるのか、それとも曇天なのか、見当のつかないつめたい早朝の往来で、タバコを吸いながらこちらへ向ってゆっくり歩いて来る蜂谷良作に出逢った。

「おはよう」

伸子は、遠足へ出かける朝の快活さで声をかけた。

「早かったんだな。僕は、あやしいもんだと思っていたんだ」

「わたしが寝坊だから? でも、わりあいしつけがいいのよ、起きなけりゃならないときには、目をさませるんです」

二人は、電車通りへ出て、街角のカフェーへはいった。店内はまだ暗く電燈に照らされているカウンターのところで三四人の労働者がコーヒーをのんでいた。人の眠っている時間に起きて一日の働きに出かけようとしている労働者たちの体つきには、どことなくはらいきれない眠気ののこりがあった。伸子のわきでコーヒーをのみ終った一人が、何か考えごとをしているようにゆっくりマッチをすって咥えているタバコに火をつけ、手首をやっぱりゆっくりと動かしてそのマッチを消し、やがて、気をとり直したように、ボタンをかけた上着の裾を左右両手で下へひっぱってから、カウンターの上において