Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
湯だけもらって来て、朝の茶を、自分の配給で買って来たパンや胡瓜漬でたべるようになっても、伸子はバターだけ食堂から買った。アホートヌイ・リャードの闇市はなくなった。トゥウェルスカヤの外交団のための食糧店は伸子たちの出入りしたくないところであったし、またそこのものは特別価格でもあった。伸子たちは工場にも経営にも勤務していなかったから、素子の友達のオリガをはじめ大部分のモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)市民が便宜を得ているように、勤め先の食糧販売所を利用することもなかった。そういう伸子たちにとって、バター、チーズは、パッサージの食堂からしか買いにくいものだった。
廊下に机を出してひとがつめて来ているようになってから、伸子には、折々、バターが買えない日があった。そのひとの目をはばかってノーソフが売らないというのではなく、何かの都合で、パッサージにわり当てられる一日のバターの総量が、一日平均のサーヴィス予定とぎりぎりであるというような日、伸子が買えるバターはないのだった。バターのない日、伸子たちはパンの上へうすく切った塩づけ胡瓜だのイクラだのをのせて、すました。