Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
それをね、話すひとは、いつも父の御愛妻ぶり、というように云っていたけれど――こうやって、自分がこっちへ来てみると、なんだかそんな単純なものと思えないわ、ねえ」
「じゃ、なんなのさ」
「――わたしたちはここで自分で手紙をとりに行って、そしてもって来るでしょう? だけれど、いきなり、はい、日本からのおたよりと云ってここへくばられて来たら、わたし、やっぱり何かショックがあると思うわ」
まして、泰造がロンドン暮しをしていた明治の末期、日本にのこされた妻子のとぼしい生活とロンドンの泰造の、きりつめながらもその都会としての色彩につつまれた生活との間には、あんまりひらきがありすぎた。
「モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)だよりじゃ、たべもののことはいくら書いても決して恨まれっこないだけ安心ね」
伸子は笑って云いながら、可哀そうな一つのことを思い出した。やっぱり泰造がロンドンにいた間のことだった。あるとき、多計代が座敷のまんなかに坐って泣きながら、お父様って何て残酷なひとだろう! とおかっぱにつけ髷をして、綿繻珍の帯を貝の口にしめている少女の伸子に云った。まあ、これをごらん! 何てかいてあると思うかい? ひとつ今夜のディンナーを御紹介しよう。