Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
ヴェラのかいた「動物の生活」の話が出た。
「いかがでした? 面白かったですか」
ヴェラが興味をもってきいた。素子が、あっさりと、
「むずかしいと思いました」
と云った。
「一つ一つの字より、全体の表現が……」
「――あなたは? どう思いました?」
伸子の方をむいて、ヴェラが熱心にきいた。
「わたしのロシア語はあんまり貧弱で、文学作品はまだよめないんです」
「――だって……」
ヴェラ・ケンペルは憂鬱な眼つきでドアの方を見ていたが、やがて、
「わたしたち現代のロシア作家は、すべて、きのう字を覚えたばかりの大衆のためにも、わかるように書かなければならないということになっているんです」
皮肉の味をもって云い出しながら、皮肉より重い日ごろの負担がつい吐露されたようにヴェラは云った。
「そのことは外国人の読者の場合とはちがいましょう」
「どうして?」
「外国人には、生活として生きている言葉の感覚がわからないことがあるんです。――あなたの文章を、むずかしいと感じるのは、わたしたちが外国人だからでしょう……」
「どっちだって同じことです」
ヴェラの室にテリア種の小犬が一匹飼われていた。