Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「いま、あなたの手紙をうけとりました、異国にあるなつかしい娘から、その弟への久々のたよりをわたしはどんなによろこび、期待して見たでしょう。ところがわたしの暖い期待は見事にうらぎられました。あなたはどこまで残酷な人でしょう」
この前保に手紙をかいたとき、伸子は、はっきり多計代に向っても対決する感情でいた。それにもかかわらず、多計代一流の云いかたに出会って伸子は、唇をかんだ。多計代が昂奮して、ダイアモンドのきらめく手に万年筆をとりあげ、食堂のテーブルのいつものところに坐って早速に書いている肩つきが、数千キロをへだてながら、ついそこに見えるようだった。保と自分との間には想像していたとおり、関所があった。はっきり保だけにあてて表書きのされている手紙だったのに、多計代は、あけて、先によんでいる。そして高校の入学祝に温室をこしらえて貰ったということについて伸子のかいたことに対して、保の考えはどうかということなどにかまわず伸子に挑みかかって来ていた。
激越した筆致で、多計代は、保が、いまどきの青年に似ず、どんなに純情で、利己的なたのしみをもっていないかということを力説した。