Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「われわれは外国女にちがいないんだもの。――外套だって憚りながら毛皮つきですよ、内側についてるのと外側についてるのとがちがうだけじゃないか」
伸子はホテルを出かけた。ホテルの玄関と雪のつもった往来をへだてて向いあっている中央郵便局の建築場の前に、大きなトラックが来て、鉄材の荷おろしをやっていた。防寒用外套の裾を深い雪の面とすれすれに歩哨の赤軍兵が鉄材の運びこまれるその仕事を見ている。膝まであるフェルトの防寒長靴をはいて、裏から羊毛がもじゃもじゃよれたれ下っている短皮外套をきた五人の若くない労働者が搬入の仕事をやっていた。
合間に手洟をかんだりしながらゆっくり重いビームをかつぎあげて運ぶ動作を、しばらくこっち側の歩道に佇んで見ていてから伸子は、ブロンナヤ通りへ歩いて行った。
古びた外壁に黄色がのこり、歩道に面して低い窓のきられているその家は、きょうも窓のなかにシャボテンの鉢植えをみせていた。
やっぱり捲毛の渦を頭いっぱいにして、しかしきょうは化粧をおとした顔で出て来た女主人が、伸子を玄関の廊下のところまで通した。伸子は、つかえるだけの単純な言葉で、彼女たちの経済では家具まで買えないからと云って、部屋をかりることをことわった。