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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

床は砂じきだった。ニューラは二人でその物干場へ入ると、また内側から鍵をしめた。そして、伸子の先へ立って、ずんずん、ほし物の幾列かの横を通りすぎ奥に近いところに張りわたされている綱の下に、下げて来たバケツをおろした。張りわたした綱がひっかけられている大釘の上の壁に、アパート番号がはっきり書かれている。ニューラはダブルベッド用の大シーツや下着類を、いそいでその綱に吊るしはじめた。伸子が砂の上に佇んで待っているのでニューラは気が気でないらしく、

「じきです――じきです」

とくりかえした。

「いいのよ、ニューラ、いそがないでやりなさい。わたしはいそいでいないのよ。鍵をしめておけば、こわくもないわ――ニューラは?」

ニューラは、すぐに返事をせず綱に沿って横歩きにものを干しつづけていたが、

「すこしは、ましです」

と、ぶっきらぼうに答えた。伸子は笑った。天井の低いうす暗いもの干場の空気はしめっぽくて、そこからぬけたことのない石鹸のにおいがした。

「きょうは、どうして、夜もの干しに来たの?」

伸子が、その辺を眺めながら、ニューラにきいた。

「きょうは洗濯日じゃなかったんです」