Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「ありがとう、お嬢さん。あなたは御親切です」

「外套をきて来るからね」

「わたし待ちます」

伸子は室へ戻り、外套を出しながら、

「一寸ニューラが洗濯もの干すのについて行ってやることよ」

と素子に告げた。

「てっぺんで、一人でそこまで行くのがこわいんだって」

「――ぶこだって大丈夫なのかい? いまごろ」

「だって建物の中だもの」

「そりゃそうだけど……」

「大丈夫だことよ。じゃ、ね」

ニューラとつれ立ってアパートメントを出た。ニューラは普通の外出のときのとおりちゃんと表戸をしめた。コンクリートのむき出しの階段には、それぞれの階の踊場に燭光の小さいはだか電燈がついているぎりで、しめきられたアパートメントのいくつもの戸と人っ子一人いない階段に二人の跫音が反響した。ニューラのこわがったのもわかる寂しさだった。二人は、黙って足早に六階まで登って行った。六階までのぼりきると、つき当りがガラス戸のしまった露台になっていて、右手に、やっぱりはだか電燈のついた一つのドアがあった。その前で止ると、

「ここなんです」

ニューラはポケットから鍵を出してドアをあけた。はだかの電燈に照しだされて、天井の低いその広間いっぱいに綱がはられているのや、あっちこっちにいろんな物の干してあるのが見えた。