Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
橋々は繁華で、いまは十月通りと呼ばれるもとのニェフスキー大通りはヨーロッパ風だけれども、都会の目抜きなところがドイツをまねたヨーロッパ式でいかつく無趣味につくられているために、かえってネ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)河やバルト海や、その都会をとりかこむ水の多さを感じさせる。レーニングラードには不思議に憂鬱な美しさがあった。
伸子と素子とはレーニングラードのはじめの十日間ばかり、小ネ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)河の掘割の見えるヨーロッパ・ホテルにとまっていた。そこで伸子たちに予想しなかった一つのことがおこった。或る朝、新聞のインタービュー記事で、ゴーリキイが、伸子たちと同じヨーロッパ・ホテルに逗留していることがわかった。
「へえ――じゃあ、もう南から帰って来ていたんだね」
「そうらしいわねえ」
五月に五年ぶりでソレントからソヴェトへ帰って来たマクシム・ゴーリキイは、歓迎の波にまかれながら、じき南露へ行ってドニェプルのダム建設工事その他を見学していたのだった。
「――そうか」
そう云ったまま黙って何か考えている素子と顔を見合わせているうちに、伸子の心が動いた。